嘆く楽しみ
この世は知らないことばかり
いつか誰かの合図を待って
いつかの何かのサインを求めて
今日まで自分ひとりで生きてきたように
そんな風に見せかけてきた
ほんとは知っている私たちしかいないこと
鳥は今日も高く舞い上がり
私たちは飛べないと嘆いてばかり
嘆く楽しみを噛み締めて
地べたに這いつくばる私たちを
あなたはどう思ってる?
あなたは、
今日も、そこにいるのね。
合意
すべての始まりから終わりまで
私たちは ずっと 見つめている
風に吹かれて一枚ずつめくられていく
ノートのページみたいに
その流れは
軽やかだったり 重くなったり
緩急は不規則で
何かのリズムによって
つながり 重なり 続いていく
何かが壊れる
それは 美しいこと
自然なこと
不安になる必要はどこにもない
今日を壊し 今日を創っていく
私たちは もうどこへも行けない
それは 逆に どこへでも行けるということ
距離は意味をなさない
どこにいても 私たちは 在る
それは変わらないということ
すべては 変化し 終わりに向かう
そのストーリーは 私たちの合意
見えるか見えないか
かすかな道筋を
私たちはずっと探している
不安という刺激を
楽しみながら
見ないふりをしてきたんだ