てのひらの言の葉

文月の下に生まれた、わたしの詩(うた)ブログです。

あの子のこと

何にふるえているんだ

何におびえているんだ

愛しいあの子

 

まっすぐに見つめないで

のどの奥から 熱さが込み上げてくるから

 

その音は その画(え)は

いまの私をこんなにもカンタンに 

昔の私の前に

引きずり出していく

 

そこにいるのは

こんなわたしをみすてないで、と泣いている

いつかの私だ

 

こっちへ来てみて

だいじょうぶ

 

もっと近くへ来て

だいじょうぶ

 

つかまえたよ

もうだいじょうぶだ

 

はなさないよ

 

やっとひとつのわたしになれたね。