てのひらの言の葉

文月の下に生まれた、わたしの詩(うた)ブログです。

心を落とすとき

 

「洗たくものを干してる様子を見てると、

 のどかだなって思うのよね」と、母は言う

 

「戦争してる国は

 洗たくものなんて干していられないもの」と、続ける

 

確かに 

その通りだ

 

芝生の中 

洗たくものがはためく 

晴天の日

 

下からも風が舞う 

なすがままにおどる洗たくものたち

 

どこかで見たような

夢の中でそんな光景があったような

落ち着く感覚を

わたしたちはどこかに覚えているね

 

そんなことに

心を落とす時間があってもいい

 

まどろみの中に 

確かなことがあったりする

 

君が今必要ないと思った石ころが

よく見たら宝石だった、みたいなことは

よくあるよ